「補助金の申請をしてみたけれど、不採択だった…」
そう感じたことはありませんか?
補助金は“運”ではなく“準備”で決まります。
採択される申請書には、共通する「型」と「流れ」があります。
今回は、多数の補助金サポートを行ってきた視点から、採択に繋がる申請手順を解説します。
① まずは「目的」から逆算する
補助金を申請する前に整理すべきは、「なぜその投資をしたいのか」という目的です。
「売上を上げたい」ではなく、「この設備で〇〇を改善し、△△の売上を狙う」といった具体性が重要です。
補助金は“経営課題を解決する手段”として評価されます。
したがって、「経営課題 → 取組内容 → 期待効果」という筋道を描けるかどうかが採択率を左右します。
ここで重要なのは、「補助金を取るための計画」ではなく、「経営を良くするための計画」に補助金を当てはめる発想です。
② 対象となる補助金を選定する
国・東京都・市区町村など、多くの補助金が毎年公募されています。
しかし、自社に合わない補助金に無理に合わせると、計画がぼやけてしまいます。
選定のコツは、
- 補助金の目的(政策テーマ)と自社の方向性が一致しているか
- 補助率・上限額・対象経費が現実的か
- スケジュールに無理がないか
たとえば、
- 設備投資による生産性向上なら「ものづくり補助金」
- デジタル化・業務効率化なら「IT導入補助金」
- 販路開拓・広報活動なら「小規模事業者持続化補助金」
- 省エネ設備導入なら「省エネ関連補助金(環境省・経産省系)」
このように、目的と補助金を正しくマッチングさせることが、採択への第一歩です。
③ 採択される「事業計画書」を作る
採択の決め手となるのが「事業計画書」です。
ここでは、審査員に“伝わる文章”を書くことが最も重要です。
ポイントは3つ:
- 課題の明確化:「何がボトルネックなのか」を数値で説明する。
- 取組の独自性:他社にはない強みや工夫を具体的に示す。
- 効果の数値化:売上・利益・生産性などの目標を明確にする。
補助金の審査は「論理とデータ」で判断されます。
「なぜ必要なのか」「どう成果を出すのか」をロジカルに説明できれば、採択の可能性は大きく高まります。
たまに”熱意が重要”と書かれている記載を見かけますが、熱意だけでは審査に通りません。
必ず、客観的に判定される”数字”で説明するようにしてください。
④ 申請書の完成度を高める
事業計画書ができたら、次は「書類精度」を高めます。
誤字脱字や金額の不一致、図表の欠落など、細かなミスが減点につながります。
また、補助金の募集要項には、採点基準が明記されています。
たとえば「革新性」「実現可能性」「波及効果」など。
これらをチェックリスト化し、自社の申請内容が基準を満たしているか確認しましょう。
行政書士などの専門家にレビューを依頼すれば、客観的な視点で弱点を補強できます。
⑤ 採択後こそ“本当の勝負”
採択はゴールではなくスタートです。
補助金の交付を受けるためには、交付申請・実績報告などの手続きが必要です。
この段階でミスがあると、せっかく採択されても補助金が支払われないケースもあります。
見積書、請求書の整理、報告書の作成支援など、確実に補助金を受け取るため、専門家の伴走支援も重要です。
まとめ
採択される補助金申請は、次の流れを押さえることが鍵です。
- 経営課題を明確にし、目的から逆算する
- 自社の方向性と一致する補助金を選ぶ
- 事業計画書を“論理とデータ”で構築する
- 専門家のチェックで完成度を高める
- 採択後の実務も見据えて準備する
補助金は「事業を伸ばすための投資」です。
正しい手順で、正しい支援を受けながら申請すれば、あなたの挑戦は必ず成果に結びつきます。